こみなと日記

2023年-2025年 フランス大学院留学

渡仏14周目 模擬裁判の裁判長

12月4日〜10日

 先週に引き続き三つの試験があった。

一つ目は「国際広報」の口頭試験。広告キャンペーンを打つ時、以前はアメリカのスーパーボウルが世界最大の機会だったが、今は中国の春節。30秒ごとのコストは2倍、視聴者は10倍近い。それに合わせて、春節に打つキャンペーンを考え発表した。英語での発表だったのでなかなか骨が折れた。フランス人の英語の発音は本当に独特。フランス語とスペルが同じ英語をフランス語で発音するため脳の切り替えが難しい。

二つ目は「フランスの広報に関する法律」。口頭試験は模擬裁判。私は三人の裁判官のひとりassesseur。被告人prévenuに何個か質問するだけだからなんとかなると思っていた。しかし、全部で三回行う模擬裁判の最後で「裁判長をやってみてください」と先生から提案される。辿々しいフランス語で開廷し、各々の弁護士に順番を振り、被疑者に質問する。なかなか骨の折れる経験だったが、その後に友人から外国人のハンデを抱えつつも裁判長をやる勇気を褒めてもらえた。

三つ目は「ソーシャルメディア戦略」の口頭試験。扱った会社はフランスのE-commerce市場で上位に位置するVinted。フランス版メルカリのような会社。私は他のE-commerceの会社LeboncoinとVintedを比較し、Vintedのターゲット層を明確化し、それを踏まえた提案を行なった。その際に利用したのはメルカリのキャンペーン。有名人のものが買えることや対象商品の購入でポイントがもらえることはフランスでは珍しいらしい。教授から高評価をもらった。

私にとって国際性とは共同目標の達成のために日本の良さをどのように活かせるか考え、目標に合わせて調整すること。藤田嗣治の生き方から学んだ。これが活きた一週間だった。

友人がGuerlainでインターンをしているので行ってみる。ノエルに合わせたディスプレイが秀逸。フランスのセンスの良さが全面に出ていた。Guerlainの香水の匂いは嫌味がなく気に入っている。

週末の本を買うためにSaint-Michel通りに行く。ノエルのお店が出ていた。