こみなと日記

2023年-2025年 フランス大学院留学

渡仏11周目 初めての病院

11月13日〜19日

 先週の体調不良の理由が分からず、友人から教えてもらった病状AI診断サイトを利用した。質問に答えた結果、急性虫垂炎の疑いがあると診断された。母や甥が虫垂炎を患っており、遺伝的発生を疑った。研究によると30%ほどの遺伝率。急いで病院へ。

 フランスで病院に行くのは初。Doctolibで近くのmédecin généralisteと価格を調べ、予約し病院に行く。医者によっては診察料が約20€も違ったりして驚く。事前に聞かれる医療用語を調べる。虫垂炎appendicite、小腸intestin grêleや大腸gros intestinなど。問診と触診を受け、結果的に虫垂炎ではないと診断される。診断後、かかりつけ医médecin traitantになってほしいとお願いするが、その先生は代理のためなれないと断られた。もう一度、探して予約する必要がある。正直めんどくさい。

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団がフランスに来ていたため拝聴しに行く。曲目はブラームスのピアノ協奏曲第一番と交響曲第一番。ピアノはHélène Grimaud。正直、ピアノ協奏曲はピアニストの力量不足が目立った。音の表現力が物足りない。アンコールで引いた曲の方が多彩な音で非常によかった。先日聴いたIgor Levitのブラームスのピアノ協奏曲第二番の方がよかった。音の多彩さに関してはLevitに軍配が上がる。交響曲第一番はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の誠実な演奏が心に響いた。第4楽章が秀逸。

 余談だが、先週行ったMusée Bourdelleのおかげで劇場入り口上部のレリーフがBourdelleのものだと気づけた。パリには様々な知識の要素がいたるところに散りばめられている。知識を習得し、実際に見るもの聞くもの経験するものを豊かにする。その場で調べることよりも、自分の記憶を辿り、結びつける。私にとって生きる喜びと感動はここにあると気づく。

 11月の第3木曜日はBeujolais Nouveauの解禁日。Beaujolais NouveauはBeaujolais地区でその年に収穫した葡萄から造られる新酒。ワインと言うと成熟というイメージがあるが、まさにその逆。成熟期間の短さの良さが出ている。赤ワインなのにスパークリングワインのように炭酸の風味がしている。今年は当たり年。授業で教えてもらったBeujolais地区のサイトがよかった。訪れてみたい。https://www.destination-beaujolais.com/

 体調がまだ本調子ではないために土日は家でゆっくりする。以前観たTV5mondeのインタビューを見て気になっていたChristophe Brussetの最新刊Les imposteurs du Bioを読む。以前から化粧品関係のBioが気になっていた。化学製品を使っているのにBio、これは何なのか。この本によると農業関係でBioと認められた製品を用いた化粧品のことを指すらしい。またBioであるが問題のある農業製品もある。そのひとつは輸入輸出の問題。Bioであるが遠くから輸入してる作物。輸送で温室効果ガスを排出したり、本当に環境に配慮しているのか疑問視される。先週あった友人も同じことを指摘していた。